■能動読み■


現代の読書に求められるのは、能動的な態度です。
そこで今日は
「主人公がどこで恋をしたか自由に決められる文章」
をやってみたいと思います。
①〜⑥の好きなタイミングで主人公に恋をさせてください。

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冬、僕の住むこの小さな町は、雪で真っ白になる。
「来ないですね、バス」①
声の主の彼女は、さっきからバス停の時刻表とベンチとの間を何度も往復していた。
「あ、ほら、今日雪がひどいからさ」
僕はそう答える。男の友達と話すときとは違うタイプの声になった②。
そうですか、と彼女はようやく往復をやめ、ベンチに腰を下ろした。
僕の半分ぐらいしかなさそうな彼女の重みでも、ぼろいベンチは立派にきしむ。
単語カードを見るふりをして、横目で彼女の様子を覗いてみた。
うちの学校とは違う制服③。浜女子の生徒だろうか。


しかし、彼女が降りたのは、僕と同じ「一高前」のバス停だった。


「今日から同じ学校ですね」④
そう言い残し、彼女は、新しい校舎をきょろきょろと見回しながら、職員室に続く長い廊下を歩いていった。
その足音が耳から離れないし⑤、足音の主は隣の席に座っているしで⑥、いつまで経っても勉強に集中できない。

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以上です。


ちなみに僕は、②で恋をさせました。
②でさせて、⑤でこじらせさせました。

■偽■


店長の「偽一万円札に気をつけろ」という言葉は
レジ係である僕に対しての、ある意味挑戦状です。
偽一万円札は何から何まで偽です。
偽サイズ/偽素材/偽厚み/偽色
偽透かし/偽模様/偽匂い/偽福沢諭吉表情
偽折り目/偽染み/偽味/偽音(破った場合)
偽吸水率/偽炎色反応(燃やした場合)/偽飛距離(紙飛行機にした場合)
このように手がかりは無数です。
見破れないはずがありません。

■判別方■


僕の住むアパートの駐輪場には、同型同色の自転車が3台あります。
1台は黒田さん(201)のもの、1台は平石さん(303)のもの
そしてもう1台は僕(103)のものです。
これら3台の自転車を見分けるポイントは、汚れ具合です。


多少汚れあり・・・黒田さん自転車
結構汚れあり・・・僕自転車
相当汚れあり・・・平石さん自転車


これが僕たち3人の自転車を判別する目安です。


多少汚れありの自転車に乗っている・・・黒田さん
結構汚れありの自転車に乗っている・・・僕
相当汚れありの自転車に乗っている・・・平石さん


これが僕たち3人を判別する目安です。

■ね→な■


バイト先の先輩である坂本さんは、常に早口です。
かといって滑舌が良いわけでもありません。
むしろ悪い方だと言わざるを得ません。
特に「な行」に不安があります。
どれくらい不安があるかと言うと
たとえば坂本さんにこの記事の一行目を音読してもらった場合、おそらくこうなります。
「バイト先の先輩である坂本さんは、ツナに早口です」
悲しいことに、坂本さんは「常に」をよく使います。一般の4倍使います。
さらに悲しいことに、坂本さんはツナが嫌いです。一般の8倍嫌いです。
坂本さんを知らない人が、坂本さんのお喋りを聞いたら、きっとこう思うでしょう。
「ツナ大好き男だ」
しかしそうではないのです。
坂本さんは早口なだけなのです。

■ダイオリー開始■


はじめまして。副業団の今田です。
このたび2月に行なわれる公演に作・演出として参加することになりました。
詳細は副業団公式サイトで随時お知らせします。


ブログのタイトルはダイオリーです。
ダイオリーとはダイアリーから4歩下がったものです。
一応ダイアリーのつもりで書いていきますが
うまくダイアリーになれるかどうかわかりませんので、4歩下がりました。
しかしそれなりに自信はあります。
つまりダイエリー未満ダイカリー以上の自信です。